新年明けましておめでとうございます。皆さんにおかれましてはお健やかに佳き初春をお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。旧年中は私共並びに弊社に対しまして格別のご愛顧を賜り厚く御礼を申し上げます。
 さて昨年も数多くの自然災害が日本列島を襲いました。被害に遭われました皆さんに心よりお見舞い申し上げ、一日も早い復興を衷心よりお祈り致します。ここ数年、最大規模の「猛烈な台風」が幾たびも上陸し被害を拡大させている背景には地球の温暖化があるといわれています。産業革命以降、私たち人類は急速に発展を遂げた一方で多くの過ちも犯してきているのです。世界の民間航空機のCO2年間排出量は約10億トンで、ドイツとオランダを合わせたそれとほぼ同じといわれています。欧州では「飛び恥(flygskam)」という環境運動が既に始まり出来る限り飛行機を使わないように努めているそうです。航空会社のマイレージを貯めてステータスを上げることは、誇れることからもはや恥ずべきことになりつつあります。食糧問題では、地球上の全人口の二年分の穀物が毎年世界で生産されているにも関わらず、毎日4万人以上が餓死しています。一方、先進国では食べ過ぎが原因で亡くなる人が餓死者より多いという現実があります。更に恥ずべきことに日本の食糧廃棄量は年間約1800万トンであり、一人当たりではアメリカを上回り世界一だそうです。日本学者の故 ドナルド・キーン氏は生前、日本人の慎ましさ・礼儀正しさ・清潔さ・儚さへの共感を高く評価されていましたが、今頃あの世で忸怩たる思いで残念がっておられることでしょう。今こそ個々人の煩悩を抑制し、合理的な社会システムを構築し、世界終末時計2分前の針を止め、また、戻す具体的行動が必要だと強く感じます。
 さて昨年のラグビーW杯日本大会では俄かファンが増えるほど大変盛り上がりました。あの感動から得たことは「ダイバーシティ(多様性)」のお手本として目標達成の為の手段方法をこれまでの常識から脱却することだと思いました。その象徴的なシーンがスコットランド戦の前半25分、プロップの稲垣選手のトライです。これまでの日本代表はオフロードパスがあまり得意ではなく練習もさほどすることなく御法度とされていたそうです。相手チームもそれを知っています。しかし6ヶ国15人の外国人選手が加入することで戦術のバリエーションが広がった結果の勝利だったそうです。更に率先して身体を張り続けるリーチマイケル選手のキャプテンシーはメンバーに目標達成を強く意識させるに十分な活躍だったと誰もが高く評価するところです。
 ダイバーシティは多様な価値観を認め合うという意味ではありますが、個々人が好き勝手をしてよいという概念ではありません。個人や集団間の様々な違いを源泉として生かし、共有された目標の為に組織全体を変革するアプローチです。昨今誰もがSNSを通じて容易に意思や意見を公開することができる一方で、国家や組織のリーダーによる明確な方向性や目標は霞んでしまい見えてきません。ともすればそれは国民や仲間に共有されない目標であったり、米国や英国の様な自国第一主義や我田引水ばかりが目立ちます。極めて嘆かわしい現実です。私は平素から仕事の優先順位を次の様に進める様努めています。
①「やらなければならないこと(ミッション)」
②「やるべきこと(ビジョン)」
③「やりたいこと(パッション)」
 可及的速やかに取り組まなければならない課題は問題の先送りとならないように迅速に着手する様にしています。次に過去から継続してきたことに磨きをかけ、最後に自らが楽しくワクワクする新たな取り組みに挑みます。目標の共有においても丁寧に理解を求めるように「ルートの法則」に従って根気強く説明します。これは、社員100名なら10回、1000名なら31回と同じことを言い続けないと伝わらないというものです。そして次の段階で様々な価値を認め合って手段方法を変革するダイバーシティを活用すべきだと思います。今年はラグビー日本代表チームの様に皆さんに驚きと感動が伝わる取り組みに挑戦したいと思います。
 結びに私事で恐縮ですが、今年三度目の成人式である還暦を迎えます。「歳月人を待たず」という印象と「ようやく六合目」という対極の感慨に耽っています。暦が一巡する還暦は生まれ変わりも意味します。これまで何不自由なく健康に過ごして来られたことに深謝し、今後は事業を通じて業界や社会の為に尚一層尽力して参る所存でございます。
 令和二年は庚子(かのえね)の年です。十干の庚は「更」という字に通じ、仕事や勉学、健康や恋愛などそれぞれが相互に影響をもたらし合い、行き詰まっても別のものから活路を見いだすことが出来るそうです。又子年は種子の中に新しい生命が萌し始める状態を示しています。つまり全く新しいことに挑戦するのに適した年だと言えます。

「その決断に損得ではなく道理があるか。」


日本資本主義の父と言われた渋沢栄一翁の言葉です。今年はこの言葉を胸に刻み、改めて様々な仁義・道徳を復習し、新しいことに果敢に挑戦して参りたいと存じます。 本年も社員一同「協調互敬」の精神で精進して参ります。 何卒宜しくお願い申し上げます。
マツ六株式会社
代表取締役社長 松 本   將